人権リスクに関する取り組み
当社では、2023年4月14日に取締役会決議により、人権尊重の取り組みを促進する方針として「マネーフォワードグループ人権ポリシー」を定め、当社グループにとっての顕著な人権リスクと現在の対応状況を把握するため、人権デュー・デリジェンスの一環として、従業員を対象として、人権に対する影響評価を実施しました。
マネーフォワードグループ人権ポリシーはこちらをご参照ください。
人権課題の抽出
当社グループ内で起こりうる顕在的・潜在的な人権リスクを明確にするために、当社グループにおいて想定される人権課題を以下のとおり抽出しました。
ジェンダー(性的マイノリティを含む)に関する人権問題、差別、外国人労働者の権利、パワーハラスメント(パワハラ)、セクシュアルハラスメント(セクハラ)、マタニティハラスメント(マタハラ)/パタニティハラスメント(パタハラ)、介護ハラスメント(ケアハラスメント)、強制的な労働、児童労働、過剰・長時間労働、賃金の不足・未払、生活賃金、結社の自由、安全及び衛生、表現の自由、プライバシーの権利、情報管理
顕著な人権への負の影響の特定・評価と予防・軽減策の取り組み
当社グループの従業員・派遣社員における顕著な人権への負の影響を特定するために、「国連指導原則報告フレームワーク」等の人権に関するガイドラインを参考に、人権への負の影響の発生可能性、負の影響の重さ、負の影響の及ぶ範囲、是正困難度について、所管する会社・部門の責任者を中心に評価を行いました。
特定し、評価した顕著な人権への負の影響及びその発生を予防・軽減するために行っている主な取り組みについては、以下のとおりです。
項目 | 予防・軽減策 |
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ハラスメント |
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差別 |
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過剰・長時間労働 安全及び衛生 |
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その他の取り組み
教育
当社グループでは、国内の当社グループ全役職員(新卒・中途入社を問わず、パート・アルバイト・インターン・派遣社員等を含みます。)を対象に、役職員のコンプライアンスに関する知識習得及びコンプライアンス意識向上のために、コンプライアンスに関する研修を実施しております。コンプライアンス全般・行動規範に関する研修の中で人権リスクについて触れるとともに、別途ハラスメント防止に関する研修をe-ラーニング(オンラインテキスト研修及び理解度テスト)で実施しています。
実施年月と受講率についてはこちらをご参照ください。
相談窓口
当社グループでは、人権を含むコンプライアンス違反行為に適切に対応するため、当社グループ役職員が、当社及びグループ会社内での法令違反行為、コンプライアンス違反行為(グループコンプライアンス規程その他の社内規程違反行為、 「マネーフォワード グループコンプライアンス・マニュアル」に定める行動指針への違反行為を含む。)、ハラスメント行為及びそれらのおそれのある行為について、メール、チャットツールなどの手段により匿名で通報を行える受付窓口を設けています。
詳細についてはこちらをご参照ください。
安心して働ける環境の整備
当社は、目指す社会を実現し、持続的に企業価値を向上させるため、当社が向き合うべきマテリアリティの1つとして「Talent Forward(社員の可能性をもっと前へ。)」を掲げております。そして、当社が、人事に関して大切にしている基本思想を「Talent Forward 戦略」として、5つのカテゴリーに分けて施策を行っております。施策の1つに「安心して働ける環境・文化を創る」があり、様々なバックグラウンドや価値観をもつメンバー同士が、互いの違いを理解しながら、働きやすいと感じられる環境づくりを目指しています。
具体的な取り組みについてはこちらをご参照ください。
TCFD提言に基づく開示
当社では、将来の気候変動が事業活動に与えるリスクと機会、インパクトを把握するため、TCFDが提唱するフレームワークに則り、外部環境変化を予測し、分析を実施しました。その結果、当社グループの事業領域では、クラウドサービスの需要増加などの大きな機会がある一方、リスクは相対的に小さいものと認識しています。機会については事業領域拡大の可能性を探りつつ、リスクについては費用対効果も見極めながら最小化していきます。
※当社はTCFDに賛同し、TCFDコンソーシアムに参加しております。
ガバナンス
当社では、取締役会の下部組織としてコンプライアンス・リスク管理委員会及びサステナビリティ委員会を設置しています。
コンプライアンス・リスク管理委員会及びサステナビリティ委員会は、それぞれ取締役会が選任した委員により構成され、代表取締役社長CEOが委員長を務めます。
リスク管理全般については、コンプライアンス・リスク管理委員会が統括し、同委員会の事務局であってリスク管理を統括する法務知的財産本部が個別リスクの管掌部署に対策指示等を行い、状況を取締役会に報告します。また、気候変動リスクについては、サステナビリティ委員会が統括し、同委員会の事務局であるパブリック・アフェアーズ室が個別リスクの管掌部署に対策指示等を行い、コンプライアンス・リスク管理委員会と連携して、取締役会に状況を報告します。内部監査室はこれら全体のリスク管理体制・状況を独立した立場から確認監督します。
戦略
当社では気候変動に関連するリスクと機会を下表のとおり特定しました。
シナリオ | 自社のリスク | インパクト | 対応策 | ||
---|---|---|---|---|---|
移行 リスク | 政策・法規制 リスク | 炭素税の導入 | 炭素税による税負担の増加 | 小 | GHG排出量の削減 |
市場リスク | 再エネ価格の 上昇 | 再エネ調達に係る費用負担の増加 | 小 | 電力等の調達先の多様化・ 適正化によるコスト削減 | |
評判リスク | ESG投資の 加速 | 気候変動対策が不十分と評価された場合、 金融機関や投資家から資金調達が困難になる | 小 | 情報開示の充実及び金融 機関・投資家との適切な対話 | |
物理的 リスク | 急性リスク | 自然災害の 激甚化 | データセンターのダウン オフィスと従業員への損害 | 中 | 事業継続計画(BCP)の強化 (施設被害のリスク分散、 リモート対応の推進含む) |
機会 | 製品/ サービス | DXの加速 | クラウドサービスの需要が増加 | 大 | ー |
リスク管理
上記で特定したリスクは、サステナビリティ委員会が、コンプライアンス・リスク管理委員会と連携して、管理しています。案件に応じて、取締役会に報告・提言を行うフローも構築されています。
指標と目標
当社では、気候変動に関する評価指標としてGHG排出量を算定しています。
現在のGHG排出量は以下のとおりです。
当社グループにおけるGHG排出量
- Scope 1(燃料使用等による直接排出)
- 0(t-CO2)
- Scope 2(購入した電力使用に伴う間接排出)
- 313(t-CO2)
- Scope 3(その他の間接排出)
- カテゴリ 1(購入した製品・サービス)
うちデータセンター利用に伴う排出65(t-CO2)カテゴリ 7(雇用者の通勤による排出)154(t-CO2)
当社は2021年から本社オフィス、2022年から東海支社・名古屋開発拠点で100%実質再生可能エネルギー電気を利用しています。
加えて、他の国内拠点における電力使用については、2023年4月からトラッキング付きFIT非化石証書の購入により実質再生可能エネルギーの導入を達成しております。
さらに、データセンターについては、再生可能エネルギーを積極的に導入しているサービスを使用することにより、大幅に排出量を抑えております。